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山頂にたどり着き、ああ成る程、こいつがドスギアノスかと納得する。まさに村長の言っていた通りだ。 数分で討伐し剥ぎ取りを済ませ、帰ろうとした時だった。その場の空気が、一瞬で変わる。 来る。 彼のハンター生活で自然と身に付いた第六感が、警告を発する。やばいのが、来る。 風の音、野生の匂い、空気の冷たさ、全てが鮮明だった。黒い影が目前で止まる。 ズシンと巨体が降ってくる。舞い上がった雪の中心部に目を凝らせば、実に原始的な風貌である。 「ぐわあぁぁぁぁぁぁ!!」 「……っ、ティガレックスか!」 思わず耳を塞ぐが、それが殆ど意味をなさない程の、轟音。成る程轟竜の名に相応しい、と頭のどこか冷静な部分で呟く。
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