覚醒

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「地獄で生き返るとは、妙な話よの……いや、これから地上に戻るから あながち間違ってはいないか」 「んなこといちいち気にする吉の字の方が変だ……あ、やべ、時間がねぇ」 タイムカードに印刷された時間を見ると、もう制限時間は1分を切っていた。 やばい、あいつ蹴りが目標にクリーンヒットするまで蹴りを入れた事にしない奴だからな 逃げ回ってカス辺りを太股あたりに食らって青あざ作るのもアホらしい。 少々癪だが、急ぐとするか。 「孝信、御鬼輪を忘れておるぞ」 「おぉっと! 忘れる所だった」 鞄の中から慌てて小さな輪を繋げて作った首飾りを取り出す。 この(御鬼輪)で俺達鬼は人間の世界で本来の性質と力を抑えて活動できる いわばリミッターのような物だ。
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