覚醒

13/28
前へ
/70ページ
次へ
「たかるな、お前も給料出てんだろ」 「じゃあエンコーでいいんよ、孝兄ぃ好きでしょ?」 「アホらしい、帰るぞ吉の字」 「承知した、ほれ信乃殿、置いていかれますぞ」 扉の横に備え付けてある↑ボタンを押すと、すぐに扉が開いた 地上へと繋がるエレベーターの中は、廃ビルと大差ないほどボロかった。 壁紙はめくれてるし、雨の日は天井から雨漏りがある、そのうち止まりそうで怖い。 そんな事を考えながら信乃が中に入ったのを見届けると、1階行きのボタンを押す 扉が閉まり、エレベーターが動き出すと、急に左手が重くなった。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加