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「お疲れ様」「お疲れーっす」「お先です」「失礼しまーす」
出口の階段へと向かう道に、同僚達と挨拶を交す時は、いつだって開放的だ。
仕事が終わった時ってのは、毎日だって最高の瞬間だ。
「……にしても立派だねぇ忠拘様は、毎日毎日こいつらとおねんねとは」
「孝信は、一度忠拘様の爪の垢を煎じて飲む事を勧めるぞ」
「勘弁しろよ、俺はあんな景気の悪い面した連中と一晩いるだけでも御免だよ」
出口から出て、扉を閉める。
(焦熱地獄)と書かれた扉の隙間からは、まだ熱気が止むことなく噴出していた。
ここは、数ある地獄の中でも過酷さでは指折りの地獄だ。
俺の仕事場は焦熱地獄の第3下層、ほとんどが人間界で縛り首になった連中
非道徳の塊みたいな奴らの場所だ、罪の浄化も時間がかかって仕方が無い。
だが、さらにその下の最下層にはもっと世間を混乱させた奴がいるっていうんだから
世の中広すぎるな。
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