1 始

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母親は車から荷物を下ろさずに 家の中に入っていってしまった 何処にいればいいのか分からなかったので 車の外にいた すると 母親と母親より老けたいわゆるおばあさんが抱き合い泣いていた 続いて 「律子よく無事でいてくれた… 辛かったねぇ…」 律子とは俺の母親の名前である 名前で呼んでいるということは あのおばあさんは母親の母親で ここは母親の実家という可能性がある と 考えているうちに 母親に呼ばれた …というより手招きされた 「荷物は?」 と聞いたが早く来てとでも言うように 手招きを続けていたので 玄関へと向かった
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