風車のある街

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  僕は長い彷徨の旅の果てに、この街に流れ着いた。 石畳の街路。 レンガ造りの家。 町外れには森と草原、そして湖。 夕暮れになると煙突から立ちのぼる炊煙の良い匂いに、自然と腹が鳴ってしまう。 ……そんな懐かしさを感じさせるのどかな街を一目で気に入り、ここで僕は旅を終えることにした。 この街の名前…… 本当は正式な名があるのだろう。 しかし街の人達は、 『風車のある街』 と呼ぶ。 その名の通り、いくつもの風車が風を受けてゆっくりと回っている。 僕は、この街であの人に出会った。 そして、恋をした…… .
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