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「まず、家に帰って・・・それから昨日つくったクッキーをあげに・・・」
あたしはぶつぶついいながら、帰り道を歩く。
すると、突然ぐいっと腕を引っ張られた。
「わ・・!」
な、なに・・・?
痴漢・・・?!
「なつ、考えごとしながら歩くな。絶対事故る。お前。」
びっくりして後ろを振り返ると、そこには噂の「早見ゆうすけ。」
少し息を切らせている。
走ってきたのだろうか。
・・え?
ゆうすけ・・・?!
思いもがけないゆうすけの登場に、あたしの心臓は一気に跳ね上がる。
部活があるからいつも帰りは遅いはずで、こんな早い時間にゆうすけが帰ることはめったにない。
「て、てゆーか・・びっくりさせないでよ!!痴漢かと思ったし!!」
あたしは、掴まれた腕を振りほどき、顔を背ける。
するとゆうすけは少し呆れて呟いた。
「なんかぶつぶつ言ってるし・・・気持ち悪い。つか、変人かよ。」
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