プロローグ

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火曜日。 ユイは一つ年上で名古屋のテレビ局で働いている。もう3年半になる付き合いだ。 物分りが良くて優しく、心豊かで、女性らしい。 出張でよく名古屋に行く俺に宿と料理を提供してくれる。 そんな彼女が、一日だけ東京に遊びに来た。 「平日に休みなんて珍しいな。」 「ごめんね、会社の都合で二日間急に休みになったもんでさ、久しぶりにしょうちゃんに逢いたくなって来ちゃった。」 物分りが良い分、たまにこういう突拍子も無い行動に出る事があるので読めない。 俺は今日、何とか仕事を早く切り抜け駅までユイを迎えに行った。 何気に面倒な女だ。 ユイは女性としてそんな美人ではない。 だがその穏やかさが俺に安心感を与える。 俺はユイを愛している。 『男はどこかで、女性に母を求める。』 俺はその夜、ユイを抱いた。
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