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木曜日。
ハルカは三十歳の人妻で、この付き合いはまだ四ヶ月にも満たない。
「フリでも良いです!私の恋人になってください。」
営業先の会社とのパーティで話した時、まさかそんな風に言われるとは思わなかった。
ダンナさんとは別居中で、子供も取られて寂しい生活をしている。
俺といる時は、明るい顔をしているが、時折物凄く悲しそうな顔をしている時がある。
そんな彼女を目の前にした俺は、何も出来ずにただ自分の無力さに反吐が出そうになる。
そして、その悲しみの先が俺ではない事に、物凄く嫌気が差して更に自分を嫌いになる。
彼女にとって俺はただ代わり。
でも分っている…この関係はどちらも得しない事を。
ハルカは三十歳とは思えない程の幼顔で、背も低く体つきも色気は無い。
俺はハルカを愛している。
『孤独の代役は無い。故に逃げると孤独は大きくなる。』
俺はその夜、ハルカを抱いた。
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