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「グレイ、大丈夫か」
「な、なんとかな」
さほど損傷は見えないグレイのジムだが、ここはズゴックを任せる。
「ブルー、スコット、聞こえるか。」
「ブルーです、ヤバいのが着ましたぜ」
「どうした!」
レーダーの反応はあと2機の敵機の反応を示す。
海岸沿いの地形を600メートル程先だ。
「海の中にゾックが居ますよ、ヤバくて近寄れません。」
9門のメガ粒子砲か、やっかいな。
「そっちへ向かう」
スラスターを吹かしながら、エネルギーゲインに目をやる。
「もう一機もヤバいぜ」
スコットのジム改修型からだ。
「赤いズゴックだ、やたらに早い」
走りながら残弾を確認し
「保たせろ、もう着く」
街から離れるとビームが使いやすくなるからか、閃光が見え始めた。
私は一瞬とまり、ゾックのマークの方へキャノンで援護を撃つ。
「うわぁ!」
スコットの声だ。
「どうした!」
程なく右にスコットの機体と赤いズゴックが見えた。
ジムは左腕をなくしているばかりか、私の目の前で頭部を吹き飛ばされていた。
「スコット!」
赤いズゴックと目が合う。
奴は右腕のみが黒く、左へ回り込んでくる。
その時その黒い右腕にあるマークを見て私は驚いた。
「そんな、ま…」私の脳裏に行方不明になっていた同僚の顔が浮かぶ。
赤い猫のウインク。彼女が使っていたマークだ。
「リルー?君なのか?」
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