1.Dear my old days.

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ある物とは、いつまでも捨てられない録音器。 昔、俺の親がこれによって脅されていたみたいだけど。 初めてこの中の音を聞いた時は、現実を信じたくなかった。 俺の中で、1番古い記憶。 5歳くらいの時の物。 「せいぜい、二十歳まででしょう。」 俺のおじいちゃんの兄のところで俺は育った。 「そうか。しかたないですね。」 その人の苗字は……龍造寺。 大会社の社長。 「えぇ。何があっても無理でしょうね。移植も不可能です。」 彼はもう諦めていた。 「体力的な問題と酸素の供給量……か。」 彼の横に座る、まだ話の内容が理解できないほど、小さな命を。 「いえ、それだけじゃありません。」 自分の姪と甥が犯した過ちによる、産物を。 「体の全ての臓器を取り替えるまで、生き残る確率は上がりません。」 なかなか笑わない、小さな命だった。 この録音器がこの少年に送られたのは、中学生になってからだった。
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