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「(ここ…、すごく薬物の匂いがする…。)」
マユは匂いに耐えながら進んだ。
「(どこから出てくるか分からない…。気をつけて行かないと…。)」
その時だった…。
「グハハハハ!」
「!!」
マユの前に男が立ちふさがった。
ーこの匂い。間違いない!薬物中毒者の一人だ!
マユは刀を抜いた。
「なあ、俺の相手してくれよ…。なんか無性に人を殺したい気分なんだよ…。」
男は大きな鉈を持っていた。
「薬物中毒者!始末する!」
「楽しませてくれよ…。」
両者とも、武器を構えて走り出した。
「はあっ!」
「おらっ!」
両者の武器が大きな音を立てて重なった。
「くっ!(何て強い力なの…!)」
男の力はマユの力を上回り、マユはどんどん圧されていく。
「おらっ!」
「くっ!」
ガキンッ!
両者の武器が同時に離れた。
「こんなもんか…?まだまだ楽しませてくれよぉ…。」
マユは体制を整えた。
そして、男が向かってきた。
「!!」
突然のことだったので、マユは反応に少し遅れてしまった。
「でえい!」
「キャッ!!」
男の鉈がマユに向かって振りおろされた。
マユはなんとか避けたが、左腕を掠めた。
「(しまった…!腕が…!」
マユの左腕から血が流れた。
「じゃあな…。軍人さんよぁ…。」
男は鉈を振り下ろした。
「(負けない!)」
ザクッ!
マユは男の胸元に向かって刀を突いた。
「グアアアッ!」
男は鉈を落とし、その場に崩れ落ちた。
マユは刀を抜き、男が動かなくなったのを確認した。
「はぁ…はぁ…。終わった…。」
マユは刀を鞘に納めると、ポケットから白い布を取り出し、血が出ている左腕に巻いた。
「よし!次行こう!」
マユは走り出した。
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