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「…んっ…」
目が覚めると、見知らぬ建物の中にいた。
「(ここは…?)」
「お目覚めかな?」
「!!」
そこには、男が立っていた。
薬物の匂いがするところから、薬物中毒者に違いない。
あの時ー、全て倒したはずー。
「まだいたの…っつ…」
マユは起き上がろうとしたが、腕を後ろに縛られているため、起き上がることが出来なかった。
「俺さ、ずっと隠れてたんだよね…。それで、あんたが全て終わった、と油断してたときを狙ってたんだ…。」
「(まだいたなんて…!油断した…!)」
マユは下唇を噛み締め、俯いた。
「あんたさ…」
「っ!」
男がマユのところへ歩み寄り、顎を掴んで上を向かせた。
「よく見ると結構可愛い顔してんじゃん…。こんなに可愛いのに、案外強いんだね…。肌も綺麗なんだろうな…。」
男は懐からナイフを取り出し、マユの軍服を掴み、一気に引き裂いた。
「っ!やめっ!」
マユは身をよじった。だが、男の手によって止められた。
「あんま動くと、綺麗な肌に傷がつくよ…。」
「やっ…!総…帥…助け…っ!」
マユが大声を出そうとして、男はマユの口を手で塞いだ。
「騒ぐなよ…。」
マユの口を塞いでいた男の手がマユの体を触っていった…。
やだ…!気持ち悪い…。
「いやーーー!助けてーー総帥ーー!!!」
バアァン!
何かが開く音がして、男は振り返った。
「な、何だ!」
「貴様…。何をしている!」
そこには、ハルカが立っていた。
「総帥……。」
マユの目から大量の涙が溢れ、頬を伝った。
「今助けてやる。」
ハルカは刀を抜き、男に突きつけた。
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