住所は二次元です

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昼休みになり各生徒仲の良いやつらで机をくっつけたりして騒がしく昼飯を食べる。 僕は毎回購買で購入し屋上で過ごすからこういうのとは無縁だ。 どちらかと言うと一人で好きなことをやりながら過ごすのが一番有意義だと思っている。 今日もいつものように昼飯をすませるため屋上へ向かったのだがそこで少し衝撃的な光景を目にしてしまった。 屋上ではなぜか上坂がビニールシートを広げ食事の準備をしていたのだ。 「…お前…なにやってんだ?」 「あっ、圭夜君遅いよ、結構待たされたんだから」 「いや、待たされたもなにも僕はお前と一緒に昼飯を食う約束も待ち合わせもしていないぞ」 「当たり前じゃんだって私が勝手に待ってたんだから」 爽やかな笑顔でそう言うとコップにお茶を注ぎはじめた。 「まあ、とりあえず座ってよいろいろあるから」 「待て…話が見えないぞ。これじゃ僕がお前と一緒に昼飯を食うみたいじゃないか」 「えっ、一緒に食べるためにここで待ってたんだよ?」 「当然のように言ってるが僕は許可していない、お前の一方的な我が儘じゃないか」 「細かいことはいいじゃん、私は四時限目サボってまでセッティングしたんだから付き合ってよね」 なっ、こいつこんなことのために…どうりで上坂が授業をエスケープするなんて珍しいと思ったんだ。
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