第4章 知られ会う2人

13/55
前へ
/308ページ
次へ
イサラとメリアに膝枕された翌日。 個室にはやてがやってきた。 朝食を食べ終えたばかりので、食器を片付けに来たのか思ったが、どうやら違うようだ。 「レイン君に会わせたい人がおる、一緒に来て欲しい」 「一緒に行けるのは、俺だけかな?」 「そうや、2人には悪いけど、もう少しここに居てもらわんとあかん」 レインはイサラとメリアを見る。 2人は気にしないでっといわんばかりに手を振っていた。 「わかった。 一緒に行こう」 「ありがとうな」 お礼を言った後、はやてはイサラ達の方に向かい、前屈みになって2人の頬に触れていた。 「ごめんな、もう少しだけ我慢してな」 そう言った、はやての声はどこか寂しそうだった。 はやてははやてで、この個室に入れたことに罪悪感を感じていたのかもしれない。 イサラ達の返事を聞くことなく、はやては立ち上がりレインの横を通り過ぎていく。 「行こうか」 「行ってくるな。 イサラ、メリア」 「はい、兄さん」 「いってらっしゃい」 2人に手を振って、レインは個室を出ていった。 「それで、会わせたい人って誰なんだ?」 「来ればわかるよ」 そう言って、はやてが歩き出す。 その後ろにレインは付いていった。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加