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イサラとメリアに膝枕された翌日。
個室にはやてがやってきた。
朝食を食べ終えたばかりので、食器を片付けに来たのか思ったが、どうやら違うようだ。
「レイン君に会わせたい人がおる、一緒に来て欲しい」
「一緒に行けるのは、俺だけかな?」
「そうや、2人には悪いけど、もう少しここに居てもらわんとあかん」
レインはイサラとメリアを見る。
2人は気にしないでっといわんばかりに手を振っていた。
「わかった。 一緒に行こう」
「ありがとうな」
お礼を言った後、はやてはイサラ達の方に向かい、前屈みになって2人の頬に触れていた。
「ごめんな、もう少しだけ我慢してな」
そう言った、はやての声はどこか寂しそうだった。
はやてははやてで、この個室に入れたことに罪悪感を感じていたのかもしれない。
イサラ達の返事を聞くことなく、はやては立ち上がりレインの横を通り過ぎていく。
「行こうか」
「行ってくるな。 イサラ、メリア」
「はい、兄さん」
「いってらっしゃい」
2人に手を振って、レインは個室を出ていった。
「それで、会わせたい人って誰なんだ?」
「来ればわかるよ」
そう言って、はやてが歩き出す。
その後ろにレインは付いていった。
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