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フェイトは慣れた足取りで、目的の部屋の前に止まっていた。
「ここです」
そう言うと、フェイトは部屋に入って行く。
それ続き、キャロがスバルが入って行き。
最後にレイン、イサラ、メリアが残される。
「あの…兄さん」
「大丈夫だよ。 覚悟は決まっているから」
「そうだよ。 いざとなったら…私達が居るから」
不安になっているイサラをメリアが励まし、ゆっくりとした足取りで部屋に入って行った。
部屋の中に入ると、空気が変わるのを感じた。
緊張が一気に高まったような張り積めた空気だ。
その場に居る全員の視線がレインに集まる。
当然、レインはどんな反応をしたら良いのか分からず、前に居るフェイトに助けを求める感じで見てしまう。
「みんな…気になるのは分かるけど、レインが困ってるよ」
すぐにフェイトがフォローを出し、全員の目線がレインから外れた。
「なのはは?」
フェイトが前の席に座っている人に聴く。
「今は居らん…すぐに来ると思う」
「そう…なら、私達だけで先に始める?」
「そやね…なのはちゃんには悪いけど、先に始めようか」
フェイトは黙って頷くと、横の方に逸れた。
レインの目に、茶色い髪をした女性が入ってくる。
見た目からして、フェイトと同い年ぐらいだと思う。
その女性は真剣な目付きで、口を重く開いた。
「まずは…言わせてもらおうか」
女性の真剣な目付きが、優しい目付きに変わった。
「おかえり、レイン君」
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