201人が本棚に入れています
本棚に追加
「レイン、猛獣みたい」
叫ぶレインを見て、メリアが笑いながら言った。
「誰が猛獣だ!」
今、牢屋にはレイン、イサラ、メリアが居る。
牢屋といっても鉄格子のようなのではなく、きれいな個室の牢屋だった。
掃除も定期的にされてるみたいで、ホコリっぽい感じはしなかった。
ベッドは一つしかなく、通信も繋ぐことができる。
もちろん、レイン達から繋ぐことはできず、はやて達から繋がれるのを待つしかないが。
叫んでいても仕方ないので、レインはベッドに腰を下ろした。
先に座っていた、イサラがレインの傍にきた。
「どうした?」
「兄さん…これからどうするんですか?」
「しばらくは様子みだな。 はやて達がどういう行動をするかによって変わるだろうな」
「でも、本当にそれでいいの?」
メリアが前屈みでレインの顔を覗き込んで、聞いてくる。
「何がだ?」
「ここで、レインのことが分かるかも知れないよ。 あの人達…絶対、レインを知ってる」
「そうじゃないと、あんな反応しませんからね」
レインはさっきのヴィータの反応を思い出す。
(お前は…大バカだ!!)
泣いていた顔が脳裏を過る
涙を流し、胸元を掴み、何度も叫ぶヴィータ。
その姿がとても痛々しく見え、レインはヴィータの頭を撫でていたのだ。
それでも―――。
「俺の事よりも、2人が心配だからな。 俺の事は後回しでもいいさ」
「レインがそう言うなら…」
「でも、話した方がよかったんじゃないですか。 兄さんが記憶喪失だってこと」
最初のコメントを投稿しよう!