第4章 知られ会う2人

10/55
前へ
/308ページ
次へ
「話さなくても、はやて達は気づいてるかも知れないけどな」 「それでも、ちゃんと話せば、力になってくれるかもしれません」 「その前にロストロギアや私達の事を聴かれるかも知れないけどね」 いつの間にかベッドに座っていた、メリアが卑屈っぽく言った。 「そうなったら、ある程度の事は話さないといけないだろうな。 けどな、イサラよく聞いてくれ」 レインはイサラに向き直ると、その目を真剣に見つめる。 「俺は…イサラとメリアが危険に及ぶような事は、絶対にしないから」 戦い等の危険ではなく、別の意味で…イサラとメリアが危険になる事は望まない。 何せ2人は―――。 「2人は…俺の恩人なんだからな。 特にイサラは」 レインが見せる真剣な目に対し、イサラはレインの右手を握って、自分の頬にあてた。 「大丈夫ですよ。 私もよくわかっていますから、だから、そんなに脅えないでください」 「私もイサラも、その事は理解してるから」 メリアがそっと、レインの背中に抱きついてきた。 「それと、レインは私達を恩人だって言ったけど、私とイサラにとっては…レインが恩人なんだから」 後ろから首に回してきた腕に力が入り、その腕をレインは左手で摩っていた。 「メリアの言う通りです。 兄さんが居てくれたから、今の私達がいる」 イサラが頬にあてていた右手を、胸の中に引き寄せた 「だから、もう一度言います。 兄さんは1人じゃない…私達が傍にいますから」 そう言って、イサラは笑顔を浮かべ、メリアも笑顔を見せていた。 レインは目を閉じて。 「ありがとう…」 小さな感謝を言っていた。
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加