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橋の上
かつて、平安の都を護っていた陰陽師。
彼等が云うには、人は生まれながらに呪いを纏うらしい。
その最たるものが名前だとも。
名前には意味があり、人は無意識にその意味に沿って生きるという。
しかし、生まれながらに呪われているのならば、そこには矛盾が生じる。何故なら僕ら人間は、初めから呪われているからだ。
母の胎内に命を宿したときに、そこに「生」という、どうしようもない呪いが僕達を縛る。
それからは時に沿って生きるしかないのだ。
生きるも死ぬも。
だからこそ僕は、この「呪い」に諦めを知った。
これからは先は僕の日々。
呪いに縛られながらも、呪いに気づいていながらも足掻くことの出来ない僕が少女との出会いで救われた、稚拙な安い物語。
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