京 その夜

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「おりょう…新撰組の土方っちゅう男知っとるか?」 夜、窓辺に寄り掛かかりながら、龍馬は口を開いた。 おりょうは、傍らから団扇で風を送りながら 「やぶからぼうに…この京の町では赤子でもしってはるお人や。知らんはずあらへん」 「難儀な奴だ…」 「?」 想定外の言葉に、風を送っていた手を止め、おりょう龍馬の顔を見た。 龍馬はおりょうが予想通りの反応をしたのがうれしかったのか、話しを続けた。
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