京 その夜

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「実は奴とは知り合いでな」 …龍馬は黒船を見に行った浦賀で、歳三と遭った事を話した。反目こそすれ、接点があった事におりょうは驚き、楽しげに昔話をする龍馬を見ていた。 「今日、久しぶりに遭ったんじゃ」 「?!」 おりょうは眼を丸くして、驚いた。 「会わはったって…」 一呼吸つき、やっとの思いで言葉を搾り出した。 「たまたま…な。奴は非番だったようでな。ワシも目的も無く散歩をしよったら、遭ったんじゃ」 「…」 あっけらかんと言う龍馬に返す言葉もなく、おりょうは見つめていた。
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