京 その夜

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「奴は難儀な男よ…」 龍馬は歳三の事を話し出した。 「先を見てる。先が見えているが、何かに縛られちゅうか…自分自身、自らを縛っているっちゅうか…」 歳三の身を按じているのか、先が見えている道を進みつづける彼をもどかしく思うのか、龍馬は煮え切らない気持ちだった。そんな彼を察してか、 「それは仕方ない事。あの方かて、自ら漕ぎ出した船を途中で降りるような事はできひんやろ…」
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