そして…

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1867年11月… 「土方さん、土佐の坂本龍馬が斬られたらしいっすよ」 自室で書き物をしていた歳三に、沖田が世間話をするかのように話しかけた。 そして、歳三の手が止まった。 「斬ったのは…」 「わからないっすが、俺ら新撰組だって、もっぱらの噂ですよ」 疑いがかけられているのに、気にするそぶりも見せずに、沖田は答えた。 「…ちっ!」 歳三は軽く舌打ちをし、 「指示を出した奴がいるのか?」 と、続けた。 「土方さん、覚えあるっすか?」 「出してねぇ…」 …出すわきゃねぇだろっ!と、歳三は心の中で怒鳴った。
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