そして北の果てへ

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そして、俺らもそう… 新撰組にせよ、長州勢にせよ、この時勢から見りゃぁ木っ端も同然なんだろうな… そして、この海の向こうにある西洋の異国から見りゃ、この国だって木っ端同然なんだろうな… 眼下に広がる大海原を見ていると、そんな風な考えが湧き、自分がちっぽけな存在に思えてきた。 奴は…坂本は、そんな事はなっから判っていたのだろうな… しかし、この国にそれに気付く人間がどれだけいるか… 400年のあいだ鎖されたこの国で…このちっぽけな国が、どこまで対等に異国と張り合えるのか? …んな事、無理に決まってる。きっと奴らは適当に泳がせて、様子を見て旨い所だけかっさらい棄てられるのがオチだろう。
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