333人が本棚に入れています
本棚に追加
「…何しに俺ん家に来たんですか?」
「そんなん決まってるやん!君にプレゼントを届けるために来たんやで。」
天使と言う言葉が似合いそうなくらいにっこにこと可愛い笑顔で俺を見つめてくるサンタさん。いやー、俺もう高校生やし別に欲しいもんないしな…てか、サンタさんにプレゼントとか頼んでないし。
「あのー、俺プレゼントとか頼んでないんですけど…」
「そやねん!君だけ何が欲しいか分からんくて…。枕元とかになんか書いてある紙とかないかなーって探してたけど、見つからんかったー。」
眉を下げながら喋っているサンタさんには申し訳ないんやけど、この人あほやろ。今時、欲しいもんを書いた紙を枕元に置いて寝る高校生がどこに居んねん!
サンタさんの考えていることが面白くて、つい吹き出してもうた。
「んは、ちょ、サンタさんおもろい!」
「もー、笑わんといてや。俺は必死なんやから!この仕事が終わらんと帰られへんねん。」
そんなこと言われてもすぐには思い浮かばない。暫く悩んでいれば、あることを思いついた。まあ、無理やろうけど一か八か、サンタさんに言うてみる。
「なあー、俺恋人欲しい。…サンタさん、俺の恋人になってくれへん?」
思い切って言ってみれば、案の定ぽかーんとしたまま俺を見つめるサンタさん。そのまま近寄ってきたかと思えばいきなり抱きつかれた。チラッと顔を覗いてみれば、照れているのか顔が真っ赤っ赤。
「…実は、俺も一目惚れしてん。幸せにしてくれな嫌やで。」
「んふ、もちろん。」
今日、俺に恋人が出来ました。
(俺の恋人はサンタクロース!)
end.
最初のコメントを投稿しよう!