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「丸山さーん!俺そろそろ上がりなんで、外で待っといてもらえますか?」
「はいよー!」
今日はいつも以上に機嫌がいいらしく大好きアーティストさんの曲を口ずさみながら出て行った。
丸山さんが出て行くのを確認すれば裏へ行き丸山さんからもらったCDを大事にしまうと急いで着替えて丸山さんの元へと向かった。
「…すいません、待ちました?」
「あー、ええよええよ。全然大丈夫やで!」
…こういうとこは優しいと思う。俺が来るまで寒そうに手に息を吹きかけながら待っとったくせに。
「よーし、ほな寒いし手でも繋いどく?」
「…いいですよ。」
「え、ほんまに!?ほんまにええの!?」
普段なら絶対にいいとは言わない。でも、今日は何となくええかな、って思ってもうて。
未だに隣で何か言うてる丸山さんの手をそっと握ってみた。案の定手は冷たくて、でも何だか心は暖かくて。
「やばい、なんか緊張してきた…。」
「ふは、いつも誰とでも手繋いでるくせに。」
「それは仕事やろ。好きな子と繋ぐときは丸ちゃんやって緊張するんですー。」
慣れてるくせに変に緊張する丸山さんが面白くて。笑いながら話していたら、誰かとぶつかった。
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