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電車を降りて改札を抜けると拓海が口を開いた。
｢怒ってるんですか？｣
｢別に｣
｢ウソ。羽深は怒ると、何も言わなくなって静かになります｣
幼なじみだから付き合いは長い。
性格も癖もわかってるのに。
どうして私の気持ちはわからないの？
｢言いたいことがあるなら言ってください。羽深が嫌な思いをしたなら…謝ります｣
何でよ……
｢ちがう…｣
自分でも無意識にしゃべっていた。
｢えっ？｣
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