44人が本棚に入れています
本棚に追加
「綺麗な星…」
いつか、君が言った。
深い深い夜の色を見上げながら。
眠ってしまう事が惜しくて…
紫へと代わり行く空をカーテンの隙間から二人、いつまでも、いつまでも…
眺めていたんだ。
―――今でも思い出す。
一緒に見上げるのは君じゃなく、メンソールのフレーバーだけど。
溜め息を零せば煙に巻かれ、息苦しさに心がチクリと痛む。
想いが再び交わる事はないけど。
やるせないこんな夜は、今夜だけは…君も。
同じ空を見つめていてくれたらと、願うんだ。
深い夜の色が…
―――紫に変わるまで。
.
最初のコメントを投稿しよう!