星空

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見上げた空。 暗闇の中手探りで、貴方のぬくもりを求めたよね? 一緒に何度も何度も見たのは、星一つなくても温かい夜空だった。 だけど今の私の空は… 同じ夜空とは思えないくらいに、寂しくて、冷たい空。 数える程でしかない散りばめられた星々は、おざなりでしかない。 その美しさを一緒に語る人がいないから… この寒さを溶かしてくれる人がいないから… だから、存在価値なんてない。 ただの、おざなり。 どんなに美しく輝いていたって、虚しいだけ。 私じゃない誰かと、瞬きを暖め合うなら… 消えてしまえばいいのに。 心の痛みも、悲しさも。 そう… いらない物は、全部。 星々も、夜空も… 意味のない毎日も… ただ流されるだけの………私も。 全部、全部、消えてしまえばいい。 そしたらあの空の様に深い悲しみも、貴方の事さえも… 全てが消えるから。
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