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私の手に触れる度、「冷たいね」と貴方は云う。
首の後ろから背中に手を入れるのが好き。
大きな背中で温めて貰うのが好き。
「仕方ないなぁ」と、貴方は云って…
狭いポケットの中、手を繋ぐのが好き。
そんな事しても、直ぐに解いちゃうくせに。
寒いと言っても、解いちゃうくせに…
私を───全部。
解かれて冷たいカラダが、貴方と同じ温度になる。
心まで、温かい。
この温度が好き。
私の温度が冷たいのは、貴方に温めて貰う為だから。
冷たい筈の指先さえもが…
貴方と同じ温度。
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