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里を出たすぐの場所に自警団が集まっていた。
「これはどういう状況なんだ?」
「どうもこうも、里を出た途端に座り込んだんだよ。」
すぐ側にいた自警団の一人が簡単な説明をしてくれた。彼の言う通り羊は座り込み、何かを待っているように見える。
「ふむ。君は一体何者なんだ?」
「メェー。」
私の問い掛けに返事をしたところを見れば、それなりの知能は有しているみたいだな。何が言いたいのかはわからんが・・・
「メェー。」
また羊は鳴くと、ゆっくりと体を傾け始め、そのままひっくり返ってしまった。・・・何がしたいんだ?
「ぐえ。」
「ん?」
なにやら蛙の鳴き声のようなものが羊の下から聞こえたような・・・
「ぐわー!メーさん退いて!起きた!起きたから!」
「メェー。」
「分かった!回りの人に説明するから!だがら退いて!重い!」
「メェー!」
「のぉぉぉぉぉぉぉ!重いって言ってごめんなさい!メーさんは重くないから!だから体重掛けないで!」
・・・一体何が何なんだか分からん。
「メェー。」
羊が足をバタバタしながらまた鳴いた。
「・・・もしかして、一人で起きられないのか?」
「メェー。」
「はぁ、誰か手伝ってやってくれ。」
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