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「やぁー、助かったよ。皆さんありがとね。」
羊の下にいたのは妹紅と変わらない背丈の少年だった。第一印象は人畜無害で人当たりのよい感じだ。
「それで、さっきはとっさに返事しちゃたけど、何を説明すれば良いのかな?」
「メェー。」
「あぁ、また違うところに来たんだ。それなら自己紹介も必要だよね。」
・・・何故会話が成り立つんだ?私にはメェーとしか聞こえないが。
「それじゃ僕は・・・って言いたいところだけど、場所変えない?」
少年は途中で区切り、場所を変えることを私たちに薦めてきた。確かに里の外でこんなことをしていては格好の餌だな。
「分かった。それでは一旦里に戻ろう。」
私が自警団に指示を出した時、近くの茂みから黒い何かが飛び出した。
「グルルルル!」
「妖狼か。ここは私が「へぇー、立派な狼だねぇ。」・・・はぁ。」
暢気な声の持ち主は十中八九さっきの少年だろう。そう思い、後ろを振り替えるとさっきまでメーさん(羊)といた少年がいなくなっていた。
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