日常が軋む時

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……ジリリリリン! 目覚ましが部屋に鳴り響いた。 短針は7と8の間を曖昧に示している。 そして長針は、もうすぐ4にたどり着きそうだった。 私は動きを止める。 ――チク、タク、チク 秒針は、無感情に、正確に、時を刻み続ける。 私の頭はゆっくりと霧を払っていく。 「7時……20分。20分、20分……20分!?……遅刻だ!」 ようやく頭は覚醒し、自分の置かれている状況を理解する。 私は大急ぎで制服に着替え、肩まである髪を適当に櫛でとかした。 ――チク、タク、チク 時間は楽しげに、残酷に、だけども正確に、時を刻み続ける。
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