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愛罹は、俺が落ちていくことに気づいていないようだった。
また、同じ。俺だけが。
「くそっ、愛罹。てめえ、ぶっ殺す!!!」
声は無性にも響かない。
愛罹の姿は、だんだんと見えなくなり、そして、俺の尻は地にぶつかった。
「ってぇ~。愛罹め、許さんっ」
クッションでもあればいいのにと思うくらい、固い地面だ。
「こんなに固かったっけ?」
前とは明らかに違う場所みたいだ。
暗いのは一緒。
だが、あの2体はいない。
「おーい、クロー、シロー」
呼んでみても、返事はない。
本当に落ちたかどうかも、不安になってきた。
暫く歩いてみると、また何かあった。
俺はかけよる。
だが、あったのはあの2体ではなく、もう1つの"穴"だった。
「なんでぇ―――!!!!」
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