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どこまでも続く桜並木の中
あなたは空を見上げながらこういった
「桜は美しい」
その顔はどこまでも澄んでいた
だけどあなたはこうも言ったね
「桜はいつか儚く散っていく
僕らもそうなるのかな」
その顔はいつになく悲しみを含んでいた
たとえあなたが私を嫌おうとも
私はあなたを嫌うことはない
私はそういおうとして口を開きかけた
でもあなたの顔からはもう
悲しみは消えていた
「来年もまたここを歩こう」
心からの笑顔であなたは問う
少し気恥ずかしくて
返事の変わりに手をギュッと握った
花が散って
今年の春も終わりを告げた
でも来年はさらに大きく花開くかな?
私の想いも全部届くかな
たとえもう花が開かなくとも
私はあの道を歩き続ける
その隣にあなたがいれば更にいいあなたもそう、きっとそう思ってるよね
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