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―――暖かい。 風に乗って、暖かい空気の中にいっぱいの春がありました。 ひらひら舞い上がる薄紅の小さな花弁。 無数のそれは、ただ静かに目の前を通りすぎます。 私はそれを掴まえたくて、両手を一生懸命動かしましたが、なかなか上手くできません。 おかあさんが帰ってくるまで私は一人でお留守番。 寂しくないように私はこの花弁で遊んで気をまぎらわしていることにしています。 風の匂いはこの花達の優しい香りその物で、小さな私の体を包み込んでくれました。 まるで、おかあさんが私を優しく抱き締めているみたいでした。 私はずっと待っています。
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