「勉強する」とは口実で。

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…うん。 としか私は答えるしかなかった。 姉貴が指を差した先にある部屋のカレンダーに赤いマジックで記されたその日は 全く予定が入っていなかった。 と言うより、 日曜は親しい友達がバイトで遊べなく、 案の定学校も休みなので 帰宅途中で友達と何処かに遊びに行くという事もないのだ。 その後、 他愛もない世間話をして そろそろ帰ると言い、 玄関先まで降りてきた時だった。 「おっと忘れてた。」 「何が?」 靴を履き、 姉貴の顔を覗くと 口元に手を当て、 眉間にシワを寄せていた。 「…いや、 今更だからいい。 君が来た時に聞くべきだった。」 「勿体ぶらないで話せよ。」 う~ん、わかった。 姉貴はそう答えると、 「買い置きのお菓子があるんだが…食べるか?」 「…今更遅いわ。」 ほら、 だから言ったじゃないか。 とニヤついた姉貴を背にして私は帰路についた。 やはり 慣れとは怖いものだ。
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