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落ち着け、むしろもちつけ俺。
とにかく、彼女に現状を知ってもらわないとな………。
「さて、グランツさん。今から俺が話すことは信じたくないのなら信じなくても構わない。だが、全て事実なのだと頭の片隅に置いておいてくれ」
「……わかったわ。話してもらえるかしら」
俺はティアが頷くのを確認すると、手元にあった本とジアビスのゲームの入れ物を手に取った。
これが無くては説明がつかんからな。
「分かっている事は2つ。まず一つ目は、君が言語についてなんら違和感がない事だ。こうして俺と会話できているし」
そして、俺はティアに本を差し出した。
「この本、読めるか?」
「……初心者でも簡単なおかず?あなた、料理出来ないのね?」
「あぁ。まぁ今はそんな事はどうでも良い。グランツさん、この字体を見た事あるか?」
「……いえ」
「そう。この字体はグランツさんのいた所では使われてすらいない字体だ。知っているはずがないんだ。なのに読めているし、その言語を使う俺とも会話が成立している。本当に不思議なことだが、な」
「………………」
黙り込んでしまったか……。
口も軽く開いているし、驚きを隠せていないようだな。
それに、どうやらもう一つの事実にも気づいてしまったようだな。
……どうか、混乱しないでくれよ?
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