第一章 彼女

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俺がそう安心しているその時だった。 ぐぅ~~……… 「っ!?」 「あの……菅原、さん?」 俺の腹が空腹になって耐えきれなくなったのか、腹の虫が鳴ってしまった。 うわ、これは中々に恥ずかしい…… 「お腹、すいたの?」 「あ、いや……その……なんだ」 恐らく赤いであろう俺の顔を背け、頷いて肯定する。すると…… ぐぅ~~…… とまた腹の虫が鳴る。 我ながら、困った腹だな。 って冷静になってる場合じゃないな、これは。 「フフフッ。でも、あなたのお腹は正直みたいよ?」 あ~もう、笑われてるし。 観念するか……。 「……すまない。腹が減った」 「フフフッ。仕様がないわね、今簡単な物作るから、台所に案内してくれるかしら?」 「だ、だが………」 「あなた、料理出来ないでしょ?」 「うぅ……すまない、頼めるか?」 「ええ、わかったわ。台所はどこかしら?」 「こっちだ。着いてきてくれ」 俺は立ち上がると、ティアを連れて台所へと向かった。 どうやら台所の造りは向こうの世界とあまり変わっていないようで、ただ違うと言えばガスコンロがあるかないかくらいらしい。 ちなみに、作ってくれたのはミートパスタ。 材料や何かは俺が用意して、後はティアに任せてもらった。味の方はと言うと…………。
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