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「じゃあね、晶太。しっかりやるのよ?」
事の始まりは、4月の最初。俺の高校三年生の始業式を終えたすぐ後の事だった。
「あぁ、分かってる」
「ごめんね、連れて行けなくて」
「気にするな。俺は平気だから」
「お母さーん!早く早く~!」
「ほら、愛も呼んでるし。早く行って来いよ」
「そうね……」
「楽しんできな」
「えぇ。じゃ、また3ヶ月後にね」
「あぁ。行ってらっしゃい」
俺が爽やかな笑みを浮かべてそう言うと、母さんは玄関の扉を開けて、キャリーバックを引きずって外で待っていた父さんと妹の愛の元へと向かっていく。
そして、三人は車に乗り込んで家に俺一人を置いて旅立っていった。
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