序章

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家の中に戻り、リビングのテーブルの上に家事についての文献を母さんの部屋から引っ張り出して、読みあさる。 現在の時刻は午前10時、昼食も近い事からまずは料理に関する本を手に取りページをめくった。 「……が、こうなって……こうか。で、ここでこうして……あ~…分からん……」 本を読み始めて一時間。二冊目に差し掛かったところで俺の頭の理解力が限界値を超えてしまった。 「ハァ……すごく簡単なものは分かるが、こう難しいのはな……」 今俺が見ているのは中級者向けの本。初級者向けのものはもう殆ど覚えたから出来るかと思ったけど……駄目だった。 「はぁ……今日の昼はコンビニか?」 そうボヤいてみるも、意味がある訳でもない。ただ、自分の無力さを再確認させるだけだった。 だが、出来ないものは仕方がない。色々試しながら、体で覚えていくとしよう。 幸い洗濯や掃除はある程度理解はしたしな。
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