序章

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「……30分位、ゲームでもしますか」 俺は本を積み直すと、リビングのテレビにPS2を繋いでゲームを始めた。 俺が選んだゲームは、『テイルズ オブ ジアビス』。俺の好きな『テイルズシリーズ』の中で一番好きな作品だ。 この作品の中で俺が一番好きなキャラは『ティア・グランツ』。 どれ位好きかと言えば、チートを使ってティア一人で戦闘しまくったり、ラスボス(兄)を倒したり。 サントラに入ってるエンディングの譜歌をリピートで聞き続けたり、夢にまで出てきたりする。 もはやオタクが入ってると言われても仕方ないと自分でも思う。 もっとも、人形なんかは持ってないし、買いたくない。 あれは流石に買う気にならん。 「あ~あ、ティアがこっちに来てくれたら……寂しく、ないだろうな」 ………これが、本音。 一人は慣れてるつもりだが、やはり俺も一人の人間。孤独を寂しいと感じてしまっていたのだ。 そして俺が口に出してしまった叶わぬ願いは、俺の中で強く、大きく膨らんでいく。 我ながら、愚かだと思う。 愚かとしか、言いようがない。
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