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少し時間を遡る....
あのクソ大臣共め!何がこの道筋は安全だ、だ!盗賊が出ないなんてデタラメを!
「おい、姉ちゃん達。大人しく降参して身ぐるみ置いていきな!さもねぇと、ぶっ殺しちまうぜ!」
私の目の前には下品な笑みを浮かべる盗賊共とそのリーダーが降参しろと言うが、冗談じゃない!
「降参した所で、お前等が身ぐるみ剥がす程度で済ますわけがないと思うが?」
「へ、わかってんじゃねぇか。お頭!さっさと抵抗出来ない程痛めつけて、楽しみましょや!」
「だな!おい、お前等!やっちまぇ!」
「「「ひゃっほー!」」」
ちっ!来るか!
「皆、馬車を囲む様に防御するんだ!絶対に馬車に近付けるな!」
「「「は、はい!」」」
くっ、皆の動きが堅い!それもそうだ。彼等は訓練が終わってまもない新米騎士達ばかりで実戦も一度も経験していない!私は数回、それも先輩騎士の後方支援しかした事がない!そもそも、この護衛は先輩達がするのが道理なのに、何故私達の様な新米に任せたのだ?
「そぅらよ!」
「...っ!」
“ヒュッ、キィン!”
盗賊が切り掛かってくるが、剣で受け止める!
考えてる場合じゃない!反撃しなくては!
「炎よ貫け!【フレイムスピア】」
私の得意な魔法を放とうとしたが、
「.....!?何故発動しないんだ!?」
魔法が発動しない!?何故だ!?すると、切り掛ってきた盗賊が嘲笑しながら答えてきた。
「おいおい、俺達が何にも用意無しにお前等騎士を相手にするとでも思ってんのか~?」
「...まさか【魔封の結界】を張っているのか!?」
「ご名答!だから、てめぇらお得意の魔法は使えねぇよ!」
何て事だ!頼みの魔法を封じられるなんて!このままでは....全滅する!
「あ、ぐっ!」
盗賊を押し返した時、悲鳴が聞こえた。反射的に振り向くと左側を守っている新米の一人が肩に矢をくらっていた!
まずい!
「よそ見してる暇なんかあんのか姉ちゃんよ!」
“ヒュン、ザッ!”
「ぐっ!」
肩に剣を受けるが傷は浅い!だが、現状は悪い方ばかりにいく!どうすればいいんだ!?
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