16人が本棚に入れています
本棚に追加
ハァハァ
ハアハア
息をするのもしんどい
涼介がきっちり抱き着いてるせいもある
でも…
意識が飛びそうになるくらい強烈な快感だったはずなのに
また
涙が出そうなのはなんでだ…?
「俺がお前を手放すわけがない」
腕を緩めて 唇が触れる距離で 涼介が囁く
「お前しか居ないのに代用って言葉はお門違いだ」
チュッ
「ん………フッ…」
キスされたら 塞きを切ったようにまた涙が溢れた
俺だけしか居ない…
今
この男を独占してるのは
俺
ずっと…
ただの気まぐれだと思ってた…
そう思う方が
楽だと思ったから…
でも
…愛されたい…
いつの間にか
欲張りになっていた…
「バイト先には俺が連絡入れておく」
俺の身体を拭きながら 涼介が俺の携帯からバイト先に連絡を入れる
勝手に何やってんだって思ったけど…
今は
俺も
離れたくはない
「もしもし?おはようございます こちら中里毅さんの友人の高橋総合病院の高橋と申します はい 今朝がた救急でこちらにかかられまして… いえいえ 急性虫垂炎でして… 手術はせずに点滴で様子をみますので… はい 2、3日お休みをお願いしたいんです はい 本人病室で携帯連絡出来ないので私が代わりに… はい 急な事で申し訳ありませんが… はい 回復次第本人に連絡させますので はい よろしくお願いします 失礼します」
「嘘つき クスッ」
携帯を切った涼介に 嫌味をぶつければ
「ホントに入院してみるか?」
と 黒い笑顔で返された
けだるい身体を引きずって
二台仲良くホテルを後にする
向かうは高橋家
俺は自ら選んで着いていく
流されるわけでも 強要されるわけでもなく
惚れたら
負け
END
最初のコメントを投稿しよう!