16人が本棚に入れています
本棚に追加
一瞬の夏 一生の記憶
俺達の最後の夏は
最高の記憶として
今も消えずに残ってる
4年の月日が流れても
色褪せる事なく
むせかえる暑さと共に
何度でも甦る
「昨日さぁ 阪神勝った?」
「…………」
「? 三橋? 聞いてる?」
「…………」
「おいッ 三橋」
「え? あ? 阪神!? 勝ったよッ!?」
「聞こえてんなら返事しろよ」
「うん ゴメン」
「田島 打ったか?」
「…………」
無言で首を振る三橋は どことなくいつもと違う
浮わついた感じじゃない
でも 沈んでるのとも違う気がする
ただ漠然と
いつもと違って見える
「職場で何かあったのか?」
「何もないよ?」
「疲れた?」
「ちょっとはね 暑いし…」
「明日から盆休みだろ?」
「うん 今年はいつもより長いんだって 節電対策で」
「震災あったからな」
「いつもは1週間くらいらしいよ」
「せっかく長い休みなんだから 帰るか?」
「だって隆也バイトが…」
「休み取った」
「でもこないだ休めないって…」
「休みくれないなら辞めるって行ったら1週間ならいいってさ」
「…辞めるって言ったの?」
「辞められたら困るの目に見えてるからな たまにはいんだよ てかもしかしてお前辞めたいのか?」
「え? 辞めたくないよ?」
「そか… とりあえず明日朝イチの新幹線の席取ってあるから風呂入る前に荷造りすんぞ」
「うんッ」
.
最初のコメントを投稿しよう!