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整った顔、白い肌。
髪は黒く、肩の辺りで無造作に切られていて、長い前髪の間で赤い瞳が静かに揺れていた。
…こいつは恐らく人間じゃない。
人間に似た…"何か"。
「お迎えに参りました、新垣和也さん」
「…お前は…何者だ?」
「申し遅れました。私はアルーフ・ウィザードと申します。アルと呼んで下さい」
そう言って深々と礼をする青年。
アルーフ・ウィザード……
直訳で、孤高の天才。
「アル、か。俺は…って、名乗る必要はないみたいだな」
「ええ、新垣和也さん。12月26日誕生の17歳、AB型。身長:178㎝、体重:60㎏。IQ:………」
…驚いた。
アルは何故ここまで俺のことを知っている?過去にどこかで会って…
「違いますよ」
「!?」
…読まれている。
俺が頭の中で考えていることの全てを。やはりアルは…
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