初音ミク編第二話「日常」

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「状況確認 マスターの安全を最優先します」 その言葉と共に物凄い速さで黒スーツの男の懐に入った。 「…!?」 黒スーツの男は当然ながら反応出来ていなかった。 そこからの展開は目まぐるしかった。 ミクが腕を極め、銃を落としそのまま地面に男を叩きつける。 男はもうビクともしなかった。 銃は弾を捨て、近くの花壇に埋めた。 「マスター大丈夫ですか?」 「あ、あぁ…」 普通ならその言葉は嬉しいのだが、俺はあまり嬉しくなかった。 ミクの顔に表情が無かったのだ。 まさに無表情。 買い物していた時とは全然違っていた。 俺は嫌だった。 ミクの笑顔はあんな可愛いのに。 それが見れないのはとてつもなく嫌だった。 他から見れば、こんな機械もどき相手に何を思ってるんだか、とかと見られるかもしれない。 でもミクには感情があるのだ。 楽しければ楽しいと感じるし、悲しいと思えば悲しいと感じるのだ。 キスをする前、ミクは心から微笑んで「良かった」と言ってくれた。 理由、理屈なんていらない。 俺は素のままの、笑顔のミクが好きなんだ。 誰がなんと言おうと、この気持ちは揺らがない。 だから表情が無いのなんて嫌だった。
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