97人が本棚に入れています
本棚に追加
初回からノーアウトのランナーが出た為にベンチは俄然盛り上がる。
「カズー!!!行けよー!!!」
クロさんが声を上げた。
この人はレギュラーでは無い。
だが、ピンチヒッター、守備補強、全ての役割をこなされる。
正直、自分よりクロさんの方がレギュラーに向いている・・・そう思う。
ワッ!!!!
球場に歓声が上がり、グランドに目を移した。
ジュンが盗塁を成功させたのであった。
「ナイスラン!!ジュン!!!」
全員が手を叩いて賛辞の言葉を贈った。
スゲー・・・
森は思う。
こんな大舞台で盗塁を決めた・・・
二塁ベース上ではジュンが砂を払いながら、軽くガッツポーズをしていた。
森は益々、萎縮する。
俺にはムリだよ・・・
森が、そう思う中、歓声が再び上がる。
カズさんが送りバントを決めたのだ。
カズさんが満足そうな表情でベンチに戻って来た。
森は何故か一人ぼっちの気分を感じる。
どんどん場違いな場所に自分が立っている気がするのだ。
最初のコメントを投稿しよう!