太陽

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初回からノーアウトのランナーが出た為にベンチは俄然盛り上がる。 「カズー!!!行けよー!!!」 クロさんが声を上げた。 この人はレギュラーでは無い。 だが、ピンチヒッター、守備補強、全ての役割をこなされる。 正直、自分よりクロさんの方がレギュラーに向いている・・・そう思う。 ワッ!!!! 球場に歓声が上がり、グランドに目を移した。 ジュンが盗塁を成功させたのであった。 「ナイスラン!!ジュン!!!」 全員が手を叩いて賛辞の言葉を贈った。 スゲー・・・ 森は思う。 こんな大舞台で盗塁を決めた・・・ 二塁ベース上ではジュンが砂を払いながら、軽くガッツポーズをしていた。 森は益々、萎縮する。 俺にはムリだよ・・・ 森が、そう思う中、歓声が再び上がる。 カズさんが送りバントを決めたのだ。 カズさんが満足そうな表情でベンチに戻って来た。 森は何故か一人ぼっちの気分を感じる。 どんどん場違いな場所に自分が立っている気がするのだ。
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