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バックスクリーンの上に有る旗が風に揺られていた。
上空には風が吹いている様だ。
あれが・・・『浜風』か・・・
森はボンヤリとそう思った。
そのまま両手をベンチの前に有る柵に置いて空を見上げる。
真夏の太陽の明るさに思わず目をしかめた。
そして再びバックスクリーンを眺める。
両チームのスターティングメンバーがバックスクリーンに表示されていた。
その中に八番サードとして森の名前が表示されているのだ。
相手チームは日本一有名な名門校である大阪代表の四天王寺学園だ。
森自身小さい頃から、よくテレビで見ていた相手である。
そして、バッターボックスの前で相手投手の投球練習を終えるのを待っているジュンの姿を見た。
ジュン越しに見える応援スタンドはテレビで見る風景そのままであった。
ベンチの目の前を見ると黒色に近い土が広がっている。
夢にまで見た土だ。
試合前の球場がざわついている・・・
ベンチから見る球場はとんでもなく大きく感じる・・・
太陽が益々、森を照らしていた・・・
”甲子園”に・・・来たんだ・・・
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