実の力

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 その日の朝練の時、寛太郎は走りながら、自分の体が軽くなった様に、感じました。一緒に走っている四年生よりも速くて、洋介達は、驚いています。ゴールをした寛太郎は、 『あの魔法の実の力だ。ちっとも息が苦しくないや』  そう思いました。洋介がやって来て、寛太郎に言いました。 「どうだ、寛太郎。アンカーをやって、みんなを驚かせてやろうか?」  洋介は冗談のつもりでしたが、寛太郎が元気に 「はい。頑張ります」  と真面目な顔で返事をしたので、洋介は少し困ってしまいました。
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